「まじめにストレッチをしているのに、症状が良くならないのですが・・・」「TVの健康番組で、ストレッチを見て試してみたんですが、あとで痛くなってしまいました・・・」というご質問を受けることがあります。
先月引退したイチロー選手は、ストレッチを良くして、見事にトップアスリートの体を、45歳までキープしてきましたよね。
よいはずのストレッチが、マイナスになってしまっている人は、少し工夫をすることで、マイナスからプラスにすることが可能です。
その秘訣は、体の中心に向かう力加減を、取り入れて行うということです。
中心に向かう力加減、という意味をご説明しましょう。
机に、ボールペンでも、お箸でもけっこうですので、立ててみてください。
次にボールペンの机と接している一端を、左手の親指と人差し指で、左右からつまむようにして支え、ボールペンのもう一端を、右手の人差し指の腹で、上からわずかな圧で押さえてください。
わずかな圧というのがミソです。
そして、ボールペンの机と接している一端を、その位置に止めながら、右手の人差し指を、左右にゆっくり動かしてみてください。
注意点としては、ボールペンの机と接しているその位置が、動かしている最中に絶対にずれないようにして、ゆっくりと行うことです。
もしもズレるようでしたら失敗です。
ちょうど、ピアノでリズム取りに使うメトロノームの針のような動きが、再現できますよね。
ゆっくりですよ。
このとき、ボールペンには、中心へ向かう力加減が、絶妙に働いているのです。
中心ってどこかというと、ボールペンが円弧の動きをするので、円運動の中心ということになり、中心へ向かう力加減って何なのかというと、ボールペンの一端からもう一端(机と接している部分)へ向かう、僅かな圧の方向が、中心へ向かう力加減です。
これをイメージとして、例えば、イチロー選手がやっていた肩のストレッチ、に当てはめてみましょう。
すると、ボールペンが腕、机がボディー(肋骨)ということになります。
そして、左手の親指と人差し指は、肩甲骨と鎖骨にあたり、右手の人差し指は、ストレッチの際に添える反対側の手のひら、ということになります。
このように、ストレッチを上手く行おうとすると、円弧の中心にむかう力加減をわずかに働かせながら、行っていただくと、ストレッチで傷めにくく、ついでにいうと、ストレッチが効果的に、体に作用する秘訣となります。
どうぞ、試してみてはいかがでしょうか。