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改善する治療とそうでない治療

治療に通って改善するかしないかは、人の体の理解のしかたで決まります。

 

人の体を、物体のように勘違いしてしまうと、治療は上手くいきません。

 

治療は、治療用の道具、機械、手などを用いて行いますが、これらを作用させる相手は、物ではなくて生物である人です。

 

物は押せば凹み、引っ張れば飛び出したりして、力を加えた方向に変形します。

物を治すのであれば、車の修理と同じように、板金が凹んだら引っ張り出して成型するし、飛び出せば、押し込んで成型します。

 

ところが生物は違います。

 

反対になります。

 

これは、生物は抵抗する動きを必ずようプログラムされているからです。

 

押せば押し返し、引っ張れば、引っ張り返してきます。

 

仮にこの押す力を、Fという記号で表現すると、生物は、Fに抵抗して、抗Fという力で跳ね返してきます。

 

この抗Fの力を予測して治療していくと、上手くいくことが多いです。

 

ところで、治療は、治療家だけが行うものではありません。

必ず、患者さん自身も、日ごろからセルフケアすべきです。

 

治療家はよくストレッチを指導します。

 

これが上手くいかないとき、患者さんにとって、抗Fの理屈が、やはり難しいからかもしれません。

 

引っ張られることに、抵抗している身体を、無理に引っ張ってしまうと、引き延ばしによる損傷を起こしてしまいます。

 

そのような損傷が、一晩眠ることで治癒することがあったとしても、習慣にしてしまうと、最後には、思いがけない障害になってしまいます。

ストレッチ障害というのは、実際にあることです。

 

 

痛みは、体が弱くなってしまって、負荷に耐えられなくて、起こっていることですから、弱くなったからだを強くすることが痛みの解決法です。を

 

どれぐらいの負荷を与えることが、治癒を促進するのかは、治療家が、患者さんそれぞれに、個別に考えなくてはなりません。

 

しかし、治療がマニュアル化してきてしまうと、考えて治療する習慣がなくなってしまうので、この当たり前のことが分からなくなってしまう怖さがあります。

 

 

 治療は、体の生物性と、患者さんの、体の強さ弱さをよく判断して行っていくことで、安全に、早い、改善が可能になります。