空気が密度を持ち、私たちはその空気の中にあって、私たちももまた密度を持っています。
空気も私たちも、分子で構成されており、重力によって、地球の中心に引き寄せられています。
したがって私たちは、自分の体重を支えるだけの強さと、大気圧に耐えるだけの体表面の強さを、持ち合わせていなければなりません。
これに加え、私たちの体は、空気より高い密度を持つため、中心へ向かって集まる力を、自然に持ち合わせているはずなのです。
こうした特性が生まれるのは、そもそも重力が、空気であっても私たちの体においても、影響しているからであって、私たちの体が強くいられるのも、進化の過程で二足歩行を達成したのも、重力に耐えることにおいて起こったことなのです。
例えば、重力に耐えるのではなく、重力に負けている状態を続けていると、たちまちにして、骨や筋肉はその密度を失い、脆弱な状態になってしまいます。
寝たきりとか、入院生活とか、動かないとかがそうです。
血液は、心臓の力だけで、全身を駆け巡ることはできません。
筋肉がポンプの役割をしたり、骨格の形状が流体の流れを助ける形状で、かつそれが、動きの慣性と重力の中で、より合理的に血液循環を作り出しています。
私たちは、重力を、敵にも見方にもできます。
重力を敵として捉え、安楽に身を委ねてしまいますと、重力の恩恵を得ることはできません。
重力に耐え、積極的に動いて慣性を受けることで、それに耐えうる身体を、維持し発展させることができます。
重力を味方にするとはそういうことです。
これが、人の、重力環境に適応して健康を維持していく姿です。
二足歩行を習慣として健康管理する意味の根源には、こうした、重力下でその力を失わない思想が含まれます。
本日も、当院のブログをお読みいただき、誠にありがとうございました。