手首に腱鞘炎が起こったという場合、よく原因は、手首の酷使と診断されます。
しかし、患者様からすれば、酷使した覚えはないし、酷使しても、腱鞘炎を経験したことのない人はいっぱいいるし、しまいにはお医者さんから、50代なのに老化現象とまで、言われてしまう始末。
腱鞘炎は、腱鞘という筒状のトンネル(さや)の中を、腱という分厚いひもが行ったり来たりするときに、摩擦で炎症を起こすとされるものです。
さやの中をひもが行ったり来たりが、正常に行われていれば悪くはならないのですが、さやがおかしければ、中を通る腱との間で摩擦が生じ、熱を帯びて炎症を起こします。
そもそも、さやは骨の上に乗っかっているので、土台の骨がおかしければ、さやもおかしくなるわけです。
骨がおかしいとは、骨自体の形は変わらないので、骨と骨のつなぎ目である、関節がおかしいということです。
しかし、この関節は、痛いところの直接下にあるとは限りません。
すこし離れたところにあって、そこの影響で、炎症箇所の土台がおかしくなることが、よくあります。
この場合、問題発生は、炎症箇所と同時に、少し離れた場所の関節に、問題発生しているのです。
まずは、少し離れた場所にある関節に、問題発生するのは何故かを考えなければなりません。
骨の延長をたどり、肘の関節、肩の関節、首、背骨、腰と連鎖する関節を見ていきます。
このようにたどっていって、それぞれの関節の、異常の動きを調べていって、手首の腱鞘炎を起こす人のデータを集めていくと、特徴が浮かび上がってきます。
腱鞘炎が起こる理由は、単純に、酷使ではありません。
他の理由が潜んでいます。
その理由が分かれば、改善策も出てきますし、予防策も講じられます。
潜んでいる原因を発見できなければ、手術ということになってしまいます。
原因の原因、そのまた原因と、深堀りしていくことが、重要です。
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