通常、怪我などの急性期において、アイシングを行うものとされていますが、当院では、そうした考えでアイシングを行うのではありません。
①冷やすことで、代謝そのものは落ちます。それを逆に利用する立場です。
病は患部だけですが、免疫システムは体全体で働いています。
患部の温度を落とすことで、患部の病理だけでなく患部における免疫が下がっても、患部周辺の免疫は活性を保っており、で相対的に、免疫が上がった状態を作ることができます。
②タンパク質の熱による破壊を食い止めます。
タンパク質や脂質は熱に弱く変性してしまいます(僅か44℃近傍で変性してしまいます)
③関節内滑液の温度が下がると、滑液の粘性が増して、滑らかな動きができる。
もともと、関節内の温度は体温よりやや低めになっているのには理由がある。
④冷却刺激が続くと、鎮痛に働く
⑤発痛物質は早めに除去される
冷やすと血流は悪くなるかというとそうではありません。
なぜなら、血液は「混成流体」と言って、土石流と同じです。
この混成流体は、ひとたび流れ出せば、慣性力が起こってどんどん流れていきます。
人体は良くできたものです。
自然界の摂理そのものが起こっています。
局所的に冷却したからと言って、たとえ血管が収縮したとしても、血流は止まらないのです。
また、ブラウン分子運動の抑制と、ベルヌーイの定理で説明できるのですが、血管の内径が減少しても、血管内壁の抵抗も減少するので、血流にはさほどの影響はないと考えられます。
これに対し、温めると血流はどうなるかというと、確かに、体表面に血流が集まってきます。
しかし、この現象は、タンパクでできた身体は、熱に弱いので、体の表面から熱を旺盛に捨てなければならないので、血管を拡張させる現象です。
その現象を血流の改善と考えるのは、そもそも無理がありそうです。
入浴すると心拍数があがり、汗をかいて、できるだけ早く熱を外へ捨てようと体は一生懸命やっています。
本日も、当院のブログをお読みいただき、誠にありがとうございました。