· 

ぎっくり腰

一言にぎっくり腰と言っても、種類があることをご存知でしょうか?

 

筋肉で起こる場合、関節で起こる場合、あるいはその両方で、その他、他の部位からの関係で、そして、これらが複合して、と、一つの原因で起こるとは限りません。

 

さらに、ダメージがどの方向から起こったかによって、時間経過の長さによって、また種類が分かれてきます。

 

そして、どのタイプのぎっくり腰かを見極めて、施術を行わないと、体の状態は、いたずらに複雑化していき、正常な治癒の過程から逸れていってしまいます。

 

ぎっくり腰は激症であり、ヨーロッパで昔から言われるように、突然、魔女に一撃を食らったような激痛が、腰に起こった状態を示す言葉です。

病院ではよく、筋筋膜症、腰椎分離すべり症、椎間板ヘルニアといった病名がつけられますが、これらは、ぎっくり腰であることを現しているわけではありません。

 

ぎっくり腰の症状には段階があり、何らかの危険を知らせる前兆があります。

 

腰からお尻にかけて、皮膚が切れるような裂けたような感じとして現れてたり、歩いていてつまずくことが、何度も起こったり、夜中に片方の脚だけが、よくつったりします。

 

自転車の乗り降りや、椅子の上へ乗り降りの際に、股関節に痛みが出たり、起床時、腰に張りを感じたり、靴下を履けない、膝の片側だけが痛む、膝の内側に痛みか違和感がある、トイレが不思議と近い、下痢や便秘気味の症状が出てきている、腰の曲げ伸ばしがきついなどの症状も、これに続きます。

 

これらの前兆は、きっかけさえあれば、ぎっくり腰になりうる警戒警報と言えます。

 

 

ぎっくり腰が起こる原因

 

原因には、一義的原因と二義的原因があります。

二義的原因とは、先の「きっかけ」のことであり、このことを一般には、原因ということが多いようですが、一義的な原因がなければ、ぎっくり腰にならずに済みます。

 

一義的原因には例えば、次のようなものがあり、これらには大変危険な問題がはらんでいます。

 

・日常的に右ばかり見ていて、体を右に向けることが多いと、体の使い方に、左右差が生じるので、使いやすい側とそうでない側が、出来上がってしまいます。

この状態では、ちょっとしたことで痛めてしまう条件が出来上がってしまいます。

・過去に大きなしりもちや膝を打った経験があると、お尻や膝からの衝撃で、骨盤の関節に異常な動きが、新たに作られてしまい、それ自体の損傷に加え、関節の「あそび」を超えた、異常な動きが起こり続けてしまうのです。

日常生活で動くことが少ないために、関節の強さ、筋力の強さがなくなると、いつもより大きく動いたり、動く回数が多かったりするだけで、腰周辺のダメージが、強く起こってしまいます。

・健康に良い、美容に良いと思って、強いストレッチやヨガを日ごろから行い、関節や筋肉にとって行き過ぎた牽引力をかけてしまい、筋肉だけでだなく、それ以外にも、ダメージを与えてしまいます。

この際の、関節面を引き剥がそうとするような牽引力によって、関節の正常な動きが起こらなくなり、炎症発生のもととなります。

・仕事や趣味などで、同じ姿勢を取り続けたために、身体の疲労を起こし、それを回復させようとして、お風呂でよく温めたり、カイロで温めることをしてしまうと、炎症のあるところは、関節や筋肉の滑動性が無くなり、摩擦の大きい動きをしてしまいます。

そのような時に、いつものように動いてしまうと、大きな炎症を起こしてしまうリスクが高まります。

 

これらの一義的原因に対して、例えば重い荷物を持ち長時間歩いたとか、夏に冷房をかけて寝てしまって次の日に長時間クルマに乗ったとか、などの二義的原因(きっかけ)を作ってしまうと、一義的原因でぎっくり腰発生の条件をつくり、二義的原因がこれにかぶり、発症するということになるのです。

 

二義的原因だけだと、腰を悪くしない人はいっぱいいます。

ですが、一義的原因があって、それに二義的原因がかぶった人は、必ず腰を悪くしてしまいます。

二義的原因は、あくまでぎっくり腰発生のきっかけであって、一義的原因こそが要注意なのです。

 

次に、ぎっくり腰の症状がどのように経過していくかというと、4段階の経過をたどります。

 

第一期は激炎症期です。

この時期全く身動きが取れません。

激しく、強烈な痛みが3日から1週間ほど続きます。

 

第二期は炎症期です。

第一期ほどの激痛はないものの、動きかたによっては、強い痛みがまだ起こり、これが落ち着くのに、発症から2週間ほどかかります。

 

第三期は、高原性経過期です。

強い痛みはないものの、油断をすると、第二期の炎症期にたやすく戻ってしまいます。

この期間は、数か月ないし数年まで及ぶ場合もあります。

 

第四期は平癒期です。

長い高原性経過期を超え、症状は完全に落ち着き、機能的にも解剖的にも正常に復元しています。

しかし、ぎっくり腰の前と全く同じではありません。

生きとし生けるもの、過去と全く同じになるわけではありません。

 

第一期から第四期まで、それぞれ、対応のしかたが異なります。

 

ぎっくり腰の施術

 

強い炎症がある時期には、炎症の消火活動が最重要です。

ダメージ箇所への執拗なアイシングは絶対です。

これと並行して、関節の動きに問題があれば(ほとんどの場合あります)、この部の滑動性を復元し、さらにこれと関連を持つ問題箇所を発見し、対処していきます。

 

炎症が消火すれば、関節の滑動性を保持する運動や、日常生活動作の改善、熱を排除しにくく炎症を起こしやすい体質を改善するための施術が可能となり、平癒まで慎重に経過を診ていきます。