今日は、四十肩と五十肩についてお話ししたいと思います。
この、何とも得体の知れない不思議な現象は、誰にでも起こる可能性があります。
症状としては、ある日突然、腕が上がらなくなる。
上げるどころか、ちょっとでも何かを取ろうと手を伸ばすことさえ、激痛でできない。
こうした状態が長い期間続きます。
四十肩、五十肩という名前は、聞いたことがあっても、まさかこんなに酷いものは思わなかったため、不安になって病院に行って、レントゲンをとってもらう。
レントゲンやMRIで検査して、肩関節の中に、石灰が沈着しているのを確認できる場合もあります。
ですが、何の異常も見当たらず、原因は、加齢のためと、片付けられてしまうことが、ほとんどです。
これを経験した人や医師は、この厄介な病気が、とても長く続き、一定の期間の後に自然回復することを知っています。
キツいリハビリを行っても、何も治療らしきことをせず、放置した場合も、同じように改善するのに半年、1年、あるいは3年という長い闘病期間がかかります。
レントゲンをとっても、原因が血液の病気か、骨の病気か、遺伝子の病気かと調べてみても、たまに見る骨の変形や関節の中の石灰の沈着が、画像で見られるぐらいで、原因を思わせるような、特に変わった様子はありません。
人類は立った時から腰痛を持ったという話を、聞いたことがありませんか?
四足から立ったのですから、色んな事が違ってしまったわけです。
腕は、地に着いてたのが、ぶら下がってしまったわけです。
地に着いてた前脚が、肩からぶら下がっていると何が起こるかというと、肩の関節では引っ張られる力が、ずっと起こっているわけです。
引っ張られている力・・・というものは、関節を壊すことが分かっています。
通常は、肩関節の周りに筋肉の張力で、引っ張られる力に対抗しているのですが、引っ張られる力を援助してしまうことが、体で起こっていると、次第に四十肩、五十肩の発現に近づいていってしまいます。
肩関節の近くに滑車のような役割をする、肩甲骨という骨があります。
この滑車のひもは、反対側の股関節から来て、肩甲骨の滑車にかかり腕の先までひもがかかっていて、また股関節に伸びていきます。
このひもを連帯筋膜と言います。
この連帯筋膜が、肩関節周りの三角筋などと協調しあって、肩関節がゆるまないように働きかけているのですが、股関節というもう一つの滑車の油切れを原因として、筋連帯幕が上手く滑車の役割をしなくなってしまうと、肩の関節は、急激にゆるみ始めます。
従って、四十肩、五十肩と言っても、そこには、筋連帯膜と股関節の問題が絡んでいて、これらの治癒期間を計算に入れないといけないので、自然治癒するにしても、相当な期間がかかるのです。
体の錆(サビ)がとれるまで半年、1年、3年ってかかるってことです。
ですが、錆は、じっとしていては、とれてきません。
動いていなければ、とれないのです。
一般に、肩関節のみを動かそうとしますが、先ほども触れましたように、全身運動に勝るものはありません。
本日も、当院のブログをお読みいただき、誠にありがとうございました。