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炎症の進みかたについて

前回のブログでは、炎症と関連痛との関わりをお話しいたしました。

 

今回は、炎症を放置すると組織はどのように悪くなっていくかについてお話します。

 

多くの方は、炎症は安静にしていれば鎮静化し、問題解決すると思っておられることが多いようです。

 

しかし、実際にこれは大きな間違いです。

 

炎症による組織の変化には段階があります。

 

例えば、ヒザでご説明しますと、初めて膝を打撲して大きく腫れあがったとします。

 

するとこれは、正しい対処をしなければ一定の期間の後、腫れがおさまりますが、組織はダメージを残します。

この段階を炎症の急性期を抜け出した状態といいます。

 

その後、ダメージを残しても、痛みの苦痛が減っているので何とか生活ができます。

我慢をしながらも急性期の痛みほど苦痛ではないので、そのうち治るだろうとしてある程度の痛みを抱えて生活するこの段階を亜急性期に入った状態といいます。

 

その後、ダメージが回復することなく、痛みを抱えて生活していると、痛みにも慣れてしまい、

いつまでも治りきらない不安と共に生活するこの段階を慢性期に入った状態といいます。

 

そして、ダメージを起こした初期状態をステージ1、初期状態がすみやかに解決されず、亜急性期という炎症が軽減されて続いている状態をステージ2、ステージ2においても炎症が正しく解決されず長い期間の治らない状態に至っている状態

をステージ3、長いステージ3の期間の中で、骨やその他の組織に変化が起こってしまった状態をステージ4とあえて名付けてみます。(正式な分類ではないことをご了承ください。)

 

ステージ1においては、どんなことが起こっているかというと、打撲により傷ついた組織を、白血球という免疫が一生懸命パクパクと食べて廃棄処理し、あとは組織の再生に任せます。

 

ここで、この再生活動がうまく行われないと、ステージ2に移行します。

ステージ2では、相変わらず組織は再生活動を続けます。ですがステージ1で再生活動に失敗しているので、やはりここでもうまい再生は起こりません。

 

ステージ2を超えてステージ3に至る段階では、組織は再生が不完全なまま再生活動を終了してしまいます。

 

ステージ3では、再生不完全な組織のまま使用していくことでトラブルを何度も起こしていきます。

 

ステージ4では、ステージ3で起こしたトラブルの分だけ今度は組織が新たな変化を起こします。

この場合は、悪いなりに使用できるために組織が変化するのです。

ある場合は組織が分厚くなってまいたり、ある場合は骨が大きくなってみたり。

 

変形性ヒザ関節症は、このステージ4でほねが変形して大きくなった状態です。

この変形は、大きな関節に変形することによって、再生しきらなかった分の耐久性を

支える面(関節)の広さや大きさで補い、何とか体重を膝で支えようとする身体側の工夫なのです。

 

ですが、この身体の工夫は、関節が大きくなって変形するために、膝を曲げようとしてもつっかえてしまい、正座ができないなどの不都合を起こします。

 

この不都合が起こっても体重を支えるために変形する状態を代償といいますが、ステージ4では、このような何らかの変化というものが見られてきます。

 

炎症の進み方として、この段階的な変化を知っておくと現在の状態がどの段階に相当するのか、そして、段階に則した対応は何なのかを考えるのに役立ちます。

 

本日も、当院のブログをお読みいただき、ありがとうございました。