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歩行と健康との関係における勘違い

今回は、歩行が身体に良いとされる理由を、もっと深く知って頂きたいと思います。

 

まずは、どんな場合に、医療機関で「歩いてください」と言われるかということです。

うちの接骨院に初めて来られる患者さんは、すでに医療機関において、ウォーキングを勧められて、実行していて、来られた方がしばしばいらっしゃいました。

 

このような方に、「どういう理由で歩行を勧められたのですか?」とお聞きすると、一番多いのが「だれでもできる運動だから」、次に「筋肉をつけなければ、身体が良くならないから」、次に「糖尿病は、運動して血糖値を下げておかなければならないから」というものでした。

そして、たまに感心なのが、「高血圧を改善するために」と言われて、歩いておられる方もいらっしゃいました。

 

私は、開業以来ずっと患者様には、「歩きましょう!」と歩行をお勧めしてきましたが、当初は、なかなか高血圧だから歩くなどという考えは、ほとんど聞こえてきませんでした。

高血圧症は、安静が一般常識だったのです。

ですから、ずいぶん歩行の解釈も進化したと感心した一方で、整形外科分野にいたると、相変わらず、筋肉をつけるためにという理解であって、どうかすると、プールで歩けば、もっと効果的と指導されているようでした。

なぜそのような理解になってしまうのだろうと、正直気落ちしてしまいました。

 

体重がネックとなり、膝が痛くて歩けないという患者様に、浮力で軽くして歩いてもらおう、という考えなのでしょうが、歩行の効果というのは、地球上の重力に抵抗して、起こる効果なのです。

なので、浮力のかかる水中においては、運動の効果はあっても、歩行の効果はおこりません。

 

自らの体重をかけて、前に進むという、人として当たり前の移動様式ということが、人のからだを造り、維持し、成長させていくのです。

 

体重がかかってこそ、歩行は意味をなします。

 

安全対策として、アスファルトへの衝撃から足を守るために、クッション性のいい靴底の運動靴を履くとか、歩きなれていなかったり、痛いところがある場合には、歩行時間を制限したり、アイシングをしておくということをおススメしますが、決して浮力をかけたり、サポーターをすることが安全対策ではありません。

 

また、歩行で身体をよくするレベルに至ってない場合は、四つ這いの練習を一定期間行って、歩行ができるまでの準備期間を設けることは良くあります。

 

歩行の効果は、地球上で私たちが生きていく上で、必要な身体的条件を取り戻してくれます。

ですので、自らの体重をかけなければ、意味を持たないのです。

 

痛みの原因は体重ではありません。

原因は、炎症かあるいはそれに近い状態です。

そして炎症を起こす原因は、膝なら膝を、腰なら腰を正しく使えていないためです。

正しく使えていくために、歩行が大切なのです。

 

そして、歩行には、骨や筋肉の話を超えた、様々な効果があります。その中の一つに、血圧を調節してくれる効果があるに過ぎません。

 

人の体に、あたりまえに備わっていなければならない、システムづくりが行えるのです。

 

病気や、疾病は、人にあたりまえに備わっていなければならないシステムが、減退してしまっている状態で起こってきます。

 

本日もブログをお読みいただき、誠にありがとうございました。