股関節は、すりこぎ運動という特徴的な動きをします。すり鉢がすりこぎによって適度な圧を受けながら、動くのが生理的な股関節の動きであり、この動きを阻害してしまうと股関節疾患へと至ってしまいます。

 

股関節のすりこぎ運動を損なうものは、

➀すりこぎの柄の一部である膝、足首の不具合

②すり鉢そのものである骨盤の不具合

③すりこぎとすり鉢を持つ手となる股関節筋膜の不具合

です。

 

このため、膝、足首に対するアプローチと、骨盤へのアプローチ、反対側の肩関節へのアプローチが必要となります。

 

反対側の肩関節に問題があると、筋膜という長いベルトでつながっている股関節それ自体に中心圧が集るのを損なってしまいます。

 

極々自然に考えれば四つ這い歩行をすると合理的に修正されるのですが、経年の変化によりこれだけでは修正されないのが通常です。経年変化は、股関節内部に中心圧が起こりにくい潤滑不全という状態を形成されているので、施術による潤滑形成が必要になります。

 

さらに重要なのが、すりこぎ運動のあの絶妙な練りこむような動きは何において起こっているのかというと、股関節において大腿骨頸部のアダムス弓を形成している頚体角と頚捻角という形状の存在です。歩行中、脚の挙動の中でこの動きは最大限に生かされますが、かつての和式トイレでの蹲踞姿勢によって日本人の強い大腿骨頸部が出来上がったと考えられます。

 

股関節を一旦患いますと慎重にリモデリングしていかなければ障害がさらに進んでしまいますが、負荷をかけないことは逆に股関節に中心圧が集まらないために、症状が進んでしまいます。骨盤をよく動かし、肩関節からの影響を正しい影響下に改善し、下肢そのものの支持性を改善していくことを合わせながらおだやかに荷重修正していくことが改善の近道となります。

 

股関節に病変を作る基本動作は、

➀荷重不足、引きずり歩行

②落下歩行

です。

 

荷重不足や引きずり歩行は、股関節の正常な捻転を逆にねじりきってしまうことになり、落下歩行は、地面への追突により圧縮破壊してしまいます。

 

股関節疾患の方は、両者の混合が繰り返されていることが多く、正常歩行に導くために慎重な治療計画が必要となります。

 

骨は単純にカルシウムで出来ているわけではありません。股関節変形は、結果的に骨の変形であっても、本質的にはコラーゲンの破壊です。コラーゲン破壊は熱の貯留でしか起こらず、股関節の不正運動の結果としての熱貯留に対しての対応も必要となります。

アイシングが合理的、生理的である理由はこのことがあるからです。

 

変形性股関節症、変形性膝関節症が女性に多くみられる理由として、ホルモン動態におけることがよく取り出されますが、確かに閉経期における骨粗しょう症と時期を同じくして発生しやすいです。しかし、荷重習慣、歩行習慣、姿勢への意識などに長けた方にはこうしたことは起こっていないことを考えても、老化や骨粗しょう症であるからあきらめるといったことでもありません。ましてや手術しか方法がないというのは、股関節の生理を思うと非常に残念な判断であるといえます。

 

20年先に再手術が必要な手術に全てをかけますか?股関節を人工に置換して痛みから免れても、バランス動作がより困難となり、転倒を招いたり、そうでなくても脳の奥深いところで身体バランス動作上、非常に混乱と疲弊がおこり続け、こうしたことが認知症を誘発していくことになると、手術は大きなリスクを抱えたものと考えられないでしょうか。

 

 

 

 

早川整骨院は駅からまっすぐ15分で緑の看板がめじるし