ぎっくり腰とは、西洋で魔女の一撃と昔から言われるように、突如襲い掛かる激症です。まるで腰の骨が砕けたかのような痛みで少しでも動こうと試みれば、さらなる激痛の増強が起こるため、どう体勢をとったらよいか分からないような症状です。

 

そのため、救急車を呼ぶ方もいるようです。これだけの激痛が何か思いものを持った際に起こるかというと、些細な動作で起こることがほとんどで、何かに手を上そうとしただけで、あるいは下にあるものを取ろうと少しかがんだだけでと言ったような原因動作としてはとても信じられないような小さい動きで発生します。

 

腰部領域のどこで発生しているのか判断しずらく、関節部とも筋肉とも筋膜とも言われますが、その根本的な原因箇所が仙腸関節にあるために、ヘルニアがそうであったように仙腸関節のメカニズム破綻によって関節自体、あるいは筋肉、筋膜が損傷したと考えるべきです。そのため対処法は、仙腸関節に対しアプローチすることで平癒に導くのですが、筋筋膜が腰部支持構造の一部であることも確かであるため、この部へのアプローチが重要な事はいうまでもありません。

 

対処法としては、仙腸関節を中心とした股関節を含む範囲のさらしの装着と損傷部位に対する炎症の処理が急性期の絶対的な処方となります。

 

ぎっくり腰が癖になってしまう方がいらっしゃいますが、このような初期の手続きと、ぎっくり腰を起こす理由への対策をしっかり行っておかないと、一旦消火したかのようで種火が完全に消えていないのと同じようなもので、癖になると言ったことが起こっていききます。

 

ぎっくり腰になるのに先行して仙腸関節にトラブルを抱えている状態が長く続いていたことが原因であるため、仙腸関節に被害を与えない日常生活のしかたを実践していくことが問題解決のための正しい方法であって、逆に痛みが無くなったからと言って再び問題行動を取ってしまうと、再び、同等の症状が再発してしまうのです。

 

座り方の原因として、次のようなことが挙げられます。

➀横に崩した女性座り

②体育座り(三角座り)

③足組み座り

④あぐら座り

⑤長座(足の投げ出しすわり)

⑥座り方ではないが、自転車に乗ること

 

これらの座り方が習慣になると骨盤が開くか、腰椎後方の連結部(関節)が開いてしまう癖がつき、関節内の潤滑形成を損なう体質となってしまうことから、短時間内では問題ないにしても動きが少なくなる冬季や加齢に伴う動作不足において大きな問題となってしまいます。自転車は、サドルが楔(くさび)の役割となってしまい、骨盤を真ん中ら左右に離開させてしまいます。

 

環境的原因として、次のようなことが挙げられます。

➀部屋の家具の配置のせいで、動線上の動きがほとんど右周りである

②床に物がたくさん置いてあり、自由に行き来することを妨げている

③ソファーや座椅子に腰かけるかあるいは床に座る生活である

④テーブルに座る位置がいつも同じで、テレビが右に配置してあるため、いつも右を向きながら食事をする

 

⑤階段の行き来を多くしなければならない事情がある

⑥道が左右どちらかに傾いている道をいつも歩いている

 

これらは、すべて腰の土台である骨盤や腰椎に、偏位や離開を起こす要因となります。

 

習慣的原因として、次のようなことが挙げられます。

➀移動手段がクルマや自転車やバイクになってしまっており、歩く機会がない

②長風呂が好きである(湯船に浸かる時間が5分以上)

③帰宅すると床にゴロゴロするか、横になってテレビを見ている

④じっとして動かない

⑤痛いところに湿布を貼ったり、カイロをあてる習慣がある

⑥マッサージ器を使用したり、マッサージをしてもらう習慣がある

 

これらは、骨格の支持構造に対して支持能力を損ない、また支持しながら動けるためのしくみである関節内潤滑を損なってしまうものであり、熱の投入や産生、放熱の遮断となってしまう湿布、カイロ、マッサージにおいては骨格支持機能の低下のみならず、筋組織の脱水、繊維化、皮膚張力の低下など問題要素を多分に含んでいるのです。

 

よかれと思って行っていることが逆に悪いということが多く含まれていることにお気づきだと思います。

 

問題はこのように日常生活や仕事において、からだにとって有害となる事が多く潜んでいて、それらが骨盤や脊柱といった支持構造を損なっていく根本原因であるところに対して、果たしてストレッチや電気治療、マシーンを使ったジム運動、ましてや病院のもっと関節を離開させてしまうようなけん引療法が問題を解決するかどうかということです。逆に傷口を開くかのごとく、もっと支持構造を不安定にさせてしまいかねません。

 

ぎっくり腰のおこるきっかけ

 

上に挙げた諸々の原因が積み重なって半年、一年、数年と経過しているなかで、ふとしたきっかけによって、ぎっくり腰は起こります。それは、まるで相撲の土俵際で力士が最後の一押しが指一本で済むのと同じです。寝ていて電気をつけようと紐に手を逃した、自転車に乗っていて降りてカギを閉めようとした、たったこれだけのことで、その動作の前段階が骨盤を緩んだ状態(この場合は寝ていたこと)、骨盤を開いた状態(この場合は自転車にのっていたこと)であったために、普段の骨盤の性質をしっかり浮き上がらせてしまったところに、一瞬の動作が、まさに魔女の一撃となって腰を破壊さsてしまうのが、ぎっくり腰なのです。

 

治癒までの経過

 

➀激症段階

②経過段階

③高原性経過段階

④治癒段階

があります。

 

激症段階においては、安静は止むをえません。寝ているのが良いかというとそうではありません。お尻を高くして(お尻が低くなる椅子、ソファーはだめです)、腰かけ、専ら炎症の除去に努めなければなりません。方法としてアイシングが有効です。時間を長くとり(一回が2時間未満であること)氷を十分に混ぜた氷みずで行います。決して、アイスノン、保冷剤、冷蔵庫から取り出したばかりの氷で行ってはなりません。凍傷になってしまいます。溶けていく氷が造った氷みずを使用します。

 

2時間冷やしたら、1時間は間を開けます。続いてさらに2時間、また1時間開けて2時間・・・と言った具合に繰り返します。

 

入浴は厳禁です。

 

固定が必要ですが、さらしによる股関節・骨盤の固定をします。身体の形状に合わせ対角の締結を意識した巻き方をします。決して強引な閉め方をせず、自分でも巻けるよう

簡潔なご指導をします。

 

食事は、控え目でエネルギー変換効率のいい、おにぎりなどが良いです。カロリーが高いものや、消化吸収の良くないものは控えます。水分は良く取りましょう。

 

冬場であれば、身体が冷えないよう着込んでください。緩めの衣服が良いです。

 

体温維持に努め、患部は冷却し、患部周辺の体温維持した領域と患部の温度降下との間で落差をつけることが回復を早めます。

 

身体はタンパク質でできていますので、温めるとタンパク凝固してしまいます。炎症は熱で痛んんだ細胞を破壊して治していく過程ですが、過剰に起こると正常細胞まで巻き込んでしまいます。この冷却法では、そのようなことが極限まで抑えられ、しかも結果的には相対的免疫というものが活性化するため、総じて治癒効果が高いのです。

 

むやみに、出勤したり、家事を行うのはいけません。風邪ぐらいであれば、かえって動いていたほうがいい事も多いですが、ぎっくり腰はだめです。

 

施術もこの時期は非常に限られた行為に留まります。安全にこの時期が過ぎるよう配備することが肝心です。

 

経過段階に入りますと、施術が行えます。ただし、少しずつです。経過を診ながらできる事を判断していきます。部屋の中を少し歩いたり、四つ這いを行うのは経過を良くします。

 

動きがよくなってきたら、施術も少し踏み込んで行えます。歴史的に残っている骨盤内の古傷といった根深い部分にアプローチします。

 

不安定骨盤を決して作ってはならないので、さらしの続行、テーピングの追加を検討します。

 

生理的な運動療法を少しずつ増やしていき、四肢(特に下肢)と腰に対して関節内・筋膜に対して潤滑形成させていきます。痛みが無くなったことがゴールではありません。

正常な身体動作のメカニズムが完全に備わることがゴールです。

 

歩く時間は段階的に長くしていきます。最初は5分、次第に15分、20分、25分、35分、最終的に45分まで伸ばしていきます。

 

高原性経過段階においては、45分の歩行は、日常生活において当然のルーティーンになっているようにしましょう。1年かけて平癒に導く覚悟と努力が必要です。 

 

 

 

 

早川整骨院は駅からまっすぐ15分で緑の看板がめじるし